ハードウッド材の状況について  

2014年12月現在

 全体の概況

 

 過去の概況は、別にまとめています。 現在も重要ですが、過去起こったことを知って、現在を知り、未来を推測することは重要です。 こちらもご参照ください>>> 

 

   

 ●インドネシア・マレーシア産(ウリン・ビリアン・セランガンバツ)の現在の状況

 インドネシア産の木材についてはこの2007年から輸出が激減をしていて、デッキ材に関してはほぼゼロというのが実態です。

 マレーシア産はある程度順調に入荷が見込めますが・・・

 詳しくは下記をお読みください。 

  

 ●ブラジル産(イペ・イタウバ・クマル・マサランドゥーバ)の現在の状況

 ブラジル材の方が、国土が広い分安定をしています。

 ただ、国が遠いので、日本に材が入るまでのタイムラグが大きいのがネックなのですけど・・・

● 12mm厚の材に関して(2017.08)
とても人気のサイズですが、完全に入荷不足になっています。
このサイズをご検討の方は樹種に関係なく、こちらをご覧ください>>>

   

  

 ウリン

2008年7月をもって一旦名前を消しましたが・・・  サイトで書けないことをご案内しますのでこちらをお読みください >>> 

  

   
 ビリアン(ウリン)

● 材について

   現在国内でウリンという名称で販売されている材の大半はマレーシア産のビリアン材です。

  数年前のウリン材に比べると少し材の程度は落ちていますが、それでも反り・ねじれは小さく、扱いやすい材です。

   コストパフォーマンス・性能面のバランスに最も優れたハードウッドであることには間違いありません。

 

● 供給状況(2014.12現在)

 入荷の頻度は多いです。

恐らく過去最高と言えるくらいの在庫が大阪にありますので、今だと欠品はほとんどないです。
数年前に品不足で有ったのがまるで嘘のような状況なのですが、理由ははっきりしていて、現地の価格が余りにも高値になって、中国の買い需要が弱まっているためです。
今後再び中国の買い需要が増えるとどう転ぶのかが分からない綱渡りのような状況ですが、半年やそこらで潮目が変わると思えませんので、2015年はこの材がやはり一押しでいいと思います。

★2017年7月の状況
相変わらず入荷は順調です。最近の状況しか知らない方は、ウリンが一度市場から姿を消したことはご存じないかも知れません。
でも2006年のショックがいつ再来するかは誰にも予測ができません。
ハードウッドは、全ての樹種に共通ですが、その日の状況しかご案内をすることができません。
有る時にご購入するということしかお勧めする方法がないことをご理解ください。★

  

 イペ

● 材について

   いろいろ悪口を叩かれているようですが、それだけ流通量の多いことの裏返し。

   やはりNo1の材は全ての面においてNo1。 いいデッキをハードウッドで作りたい方には無条件でこの材を奨めます。

   DIYerの通販ではご注文は少ないのですが、法人向けの販売や管理人が作っているウッドデッキでは、ビリアンよりも多いのがこの樹種です。

  公共用途では抜群の実績があります。

    

 ● 供給状況(2014.12現在) 

 円安の影響も有りますが、それ以上にこの材だけが突出して高値になっています。
余りの高値に日本のバイヤーが様子見をしていたのですが、さすがに国内からイペが消えそうになると慌てて買い注文を入れていて、10月には空だった倉庫が現在は一通りのサイズが揃うようになっています。
ウリンでは、中国の買い需要に触れましたが、こちらの金額を釣り上げているのはヨーロッパマネーです。
それも実需ではなくて、投機ではないかとまことしやかに囁かれており、真実が現在闇の中です。
確実に言えるのは、1月あるいは2月に再値上げ。 下手をしたら2段階値上げをせざるを得ない状況で、札束攻勢で無いと買うことができない異常な事態になっています。
本当に投機なのであれば、来年の春を超えると値下がりするはずですが、もし実需だと、3段階値上げもあり得ます。
公共用途だと半年以上前に売値が決まりますので、今大慌てをしている人が全国に大勢いるのです。

★2017年7月の状況
3年前に値上がりした影響で、イペの売れ行きが激減をしました。
売れないために、入荷もしないと言う悪循環になっています。
イペに関しては、都度在庫状況をご確認ください★

 

 
 セランガンバツ

● 材について

    これからはこの木がスタンダードか?

     性能面では明らかに上2つに劣りますが、新しい樹種はせいぜいバツクラスのものが多い。

    (私はイペ・ウリンクラスを最上位に他の樹種はワンランクあるいはツーランク落ちると考えています。)

    ということは、今後のスタンダードとして抑える必要のある材ということなのかも知れません。

 

   と書いてきて数年になりますが、いつまで経ってもナンバーワンになることは無いみたいですね。

  

    個人住宅ではあまり需要が多くないのですが、2006年度以降に私が納品した大規模な物件(全国ベース)はこの樹種がもっとも多いです。

 

 ● 供給状況(2014.12現在)

  3m、4mものに限定をすると、ハードウッド全樹種の中でこの樹だけが欠品の可能性が極めて低いです。

  豊富に入荷があり、安定供給と言う点ではハードウッドの中で一番です。 
しばらくこの傾向は変わりませんので、公共用途だとこちらを勧めるのが、確実なように思います。

★2017年7月の状況
イペに変わって、セランガンバツの売れ行きが好調です。
売れるから入る。入るから売れる。
イペとは逆で好循環をしております。★

  
 イタウバ

 ● 材及び供給状況について

  イタウバは施工性の良さから特にDIYerの絶大なご支持をいただいていたのですが、残念ながら安定的な供給体制を築くことができませんでした。

  

 2006年に大フィーバーしましたが、2007年に一旦欠品。

 2009年にその後再入荷。

 それも残念ながら長続きしませんでした。 

 2011年春 情けないですが白旗を振りました。
ところが2013年に潮目が変わって、なぜか大量に入荷があります。

 

   別ページで2014年12月の状況を詳しく書いています。 ご参照ください。>>>

   

 ● 供給状況(201412現在)

 とにかくコロコロ状況の変わる樹です。

 2012年暮れにはこの樹の販売を休止しようと思っていたのですが、なぜか今はフルランナップ揃っています。

 こちらをご参照ください。>>>

★2017年7月の状況
この3年で激変をしたのがイタウバです。
ブラジルから輸入する会社が増えて、日本での在庫・流通量とも非常に増えています。
今まで入ってこなかったのが不思議なくらいに南米から日本に船が向かっていますので、今だといろんな意味で一押しのハードウッドです。★

      

 
 クマル

 ● 材について

    ポストイペといいたいところですが・・・

    やはり2番煎じという感から抜け出ることができません。

    コストパフォーマンスは抜群ですので、大規模な物件でイペではちょっと金額の折り合いがつかない・・・ というときに使える材です。

    ただサイトやブログで書きましたが、屋根があるとだとこの材の評価は一変。 私はイペよりも上と言っても言い過ぎではないのではないかと思っています。

   ですから、フローリングが大化けしないかと密かに期待をしているのですが・・・

   それと意外に思われるかも知れませんが、私が施工をしたり、材の選定に深くかかわった公共物件ではこの木を一番多く使っています。  

 

  ● 供給状況(2014.12現在)

ココまでイペが高値になると、当たり前のようにこちらに出番が回ってきます。
2015年はもしかしたらクマルの時代になるかも知れませんね。

★2017年7月の状況
イペの入荷が良くないときはクマルの出番。
これが過去のものになってしまいました。
今はクマルの時代じゃない。ということを日々感じています。
おそらくイタウバに食われたんじゃないでしょうか?★

    

    
 マサランドゥーバ(アマゾンジャラ・マニルカラ)

 ● 材について

  ちょっと前だと、2番煎じだよ。

  って言っていましたが、そうも言っていられないようになってきましたね。

  

 実は2011年後半で私が施工をした現場に使ったハードウッドでは、マサランドゥーバが堂々の1位になっています。

     

 ● 供給状況(2014.12現在)

 2011年夏頃より、プロの間で、「ビリアンの時代が終わりつつある」と囁かれ始め、時を同じくして、こちらの入荷が増えています。

 まだビリアンの入荷も需要に応えられていますが、価格面でいつまで市場に受け入れられるかが今最大の課題になっています。

 ビリアンに比較をすると、リーズナブルで、しかも安定供給が見込めるマサランドゥーバが、プロの間では一押しになりつつあるのです。 

 No.1になりそうな勢いは感じるのですが、なかなか2番手から抜けられません。
それだけ この数年御三家の入荷が順調であったという証にもなるのですけど・・・

★2017年7月
こちらもブレイクしそうな予感だけが漂っているのですが・・・
入荷量は少ないのですが、現地の原木はけた外れに多いというものすごく矛盾を感じる木です。
ウリンの入荷が減れば、確実にこの材の出番になりますが、まだ数年先ではないでしょうか?★

     

 グラピア(ブラジルバツ)

 ● 材について

  とても滑らかで反りねじれが小さい木です。

 但しまだ経年変化についての報告が少ないため、この綺麗さがいつまで続くかは・・・

        

 ● 供給状況(2014.12現在)

 関東では既に流通が増えている材ですが、様々な名前で流通をしていますので、知らないうちにこの木を使っている人も多いのではないかと思います。

 当社では8年ほど前に一度アマレランとしてご紹介をしていたのですが、当時はウリンもイペも安くどうしてもこの木でないといけないという需要がありませんでした。

 この木には多くの商社が関与をしています。

 新樹種でこの木のように多くの会社が輸入をしているケースは珍しく、それだけに将来性にも大きなる期待を抱く樹種です。

   
★2017年7月
セランガンバツの入荷が安定している以上、あえてこの木を大量に輸入する理由がありません。
在庫も少なく、あれば儲けものくらいに思ってください。★

 
 サイトで紹介していない材

 ボンゴシ

  数年前までは、大断面はボンゴシだよ。
と言っていましたが、今それを言う人はよほどの無知と思われるかもしれません。
現地ではとても耐朽性の高い材として評価が高いですが、日本だと腐ります。
まさか!! と思うような腐り方をしますので、怖くて使えない材なのです。

    

 ジャラ

  かつてハードウッドブームを起こしたのは、イペでもウリンでもなく、ジャラ。

  今でもこの樹種を指定している物件を見掛けるのですが・・・

  残念ながら価格面でとても急騰をしていて、ほとんどのケースで折り合いがつかず、イペなどに樹種変更をお願いしています。

  価格に糸目をつけない案件があればご案内できますが・・・

 

 サイプレス(豪州ヒノキ)

  時々ご注文をいただきますが、在庫・入荷状況ともに不安定でとてもレギュラー化をすることができません。

  たまたま在庫があれば安価に出荷できますが、ないものを探すと・・・

  ご依頼がありましたら見積もりはいたします。 

  但し、個人の方に少量販売をすることはできませんのでご了承ください。

 

 ちなみにこの木はもちろん長所もありますが、致命的な欠点があります。

 余計なことを書くと営業妨害になってはいけませんので一言だけ。

                          長い材がとれないのです。

 

 

 その他、国内に流通している材でしたら、ご相談いただきましたら何とか対応いたします。

  

 
 余計な一言  

 2015年は、大きな節目になりそうです。

 イペの高値がいったいどのような影響をもたらすのか?
既に大規模な案件で、イペはNo1評価ではありませんが、このまま消え去ってしまう運命に有るのでしょうか?

はたして良い方向に潮目が変わるのでしょうか?

夏以降に再検討が必要なのは間違いないですが・・・

★2014-5年に高値を付けた木材はそれから高止まりになっていて、この2年は価格が落ち着いています。
ただ、2017年に北米の材が急騰をしていて、ハードウッドも少し引っ張られています。
先の情勢は不透明。というのが実態です。
2017年7月追記★

 

 

 

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