イタウバ材の状況について  

2019年3月14日現在

 全体の概況

 イタウバ材の裏事情をお知り頂ければ、今後出てくる新樹種についてもいろいろ見えてくることが多いかと思います。

 この材は2006年に本格的に国内に入ってきて、瞬く間に人気樹種になりました。

 ところが人気になったことで、この材の運命も短命に終わることになってしまったのです。


って書いたのになぜか再ブレイク。
はたしてこの樹はどこに向かって船出をしているのやら・・・ 

 イタウバ材の根本的な欠陥

  2006年から2008年に起こったこと

 この材は、本当は40x150とか100角も加えたフルラインナップが安定供給できるというのがうたい文句でした。

 私も2006年暮れにそれを信じて、入荷予定分まで含めたフルラインナップをご紹介してきました。

 2006年10月の情報では、「12月には完全入荷しますよ」

 12月には「来年の2月には大丈夫」

 その後も少しづつ日を延ばされて・・・

 

 それどころか20x105とか30x105なども安定的に入ることはありませんでした。

 

 2007年夏より品不足は顕著になり、2008年2月ようやく入り始めたと思った矢先、輸入停止。

 

 このことはイタウバ材だけでなく今後新しい樹種全てに起こりうることですので少し詳しくご紹介をしておきます。

 

 2006年10月に大阪に入荷をした材を見た瞬間、この材の運命は見えていました。

 「あまりにも不良材が多すぎる!!」

 再検品をしていい材しか消費者には届きませんので、この情報はおそらく私が初めて流すものと思います。

 この材は横反りがとても大きく、長い材の不良率は20%以上有りました。(通常は5%以下)

 

 そういった材は短く切ったり、ワンサイズ小さなサイズに再加工をされたりします。

 ですから、30x105は25x90に、20x105は15x90や15x105になって市場に出回って行くのです。

 

 その後現地の加工・検品体制を強化したところ、材は大阪にはやってこず、ヨーロッパ勢が現地の言い値で買い付けているのを指をくわえてみるばかり。

 

 2008年2月、待望の木材が入ってきましたが、3mオーバーの材は皆無に等しく、日本向けの品質をこの材はクリアーできないことが証明されてしまったのです。

 その後、現地から大幅な価格アップの提示があり、交渉決裂。

 

 これは今後入ってくるであろう新樹種全てに共通した話と思っていただいていいと思います。

 最初は現地サイドも売り込みをしたいので、品質・価格ともかなりいい条件を出してきますが、2回・3回と続くうちにそれらは反故にされ、いつの間にか尻すぼみ。

 こういう例を何回目の当たりにあいたか分かりません。

 

 もし新樹種が既存の樹種(イペ・ウリン)よりも価格面・品質面で本当に満足できるものであれば、これまで輸入をされていないことがあり得ないのです。

 

 既存の材に何らかの問題が生じているので仕方なく新樹種を輸入している。 

 このことを知った上で、いろいろな樹種をご検討いただくのが正しいものの見方です。 

 

 エコの流れが加速をしている

2008年リーマンショックの前の出来事

 熱帯雨林を保護する動きが本格化。

 ハードウッドの伐採には様々な規制がかけられていますが、益々その強化がなされています。

 インドネシアと違ってブラジルには林業に代わる代替産業が伸びつつあり、今後この地域からのハードウッド産出は確実に縮小をしていきます。

  

 世界的な不景気はありがたいこと???

2008年リーマンショックから2010年に掛けて

 2008年リーマンショックにより世界的に不景気になりました。

 その影響はデッキ材の世界も同様で、中国・アメリカ・ヨーロッパの買い需要が激減します。

 そこで現地の人が目を付けたのが、日本人。

 それまで相手にしなかった日本向けのオファーが大量に出てくるようになりました。

 

 現地にはもうないのでは? と思われていたイタウバも例外ではなく、2009年には普通に日本の発注を受けてくれて、普通に入るようになり、再び国内にイタウバフィーバーが起こります。

 

 2年ほどいい時期が続いたのですが、それも南アフリカワールドカップまでのことだったのです。

 やはり日本人は相手にされていなかったんだ・・・

2010年夏以降

 2010年6月。 4年に一度のサッカーの祭典が南アフリカで開催されました。

 ご存じの通り南米は熱狂的なサッカー王国。

 

 イタウバの入荷が遅れ始めたので、催促をしたところこんな返事が帰ってきました。

 「ワールドカップの最中はブラジル人は仕事なんかしないよ・・・」

 

 それを真に受けてたら・・・

 

 次は夏休み。 その次は・・・

 

 よくそれだけ出まかせの言い訳ができるもんだと感心するくらい。

 

 気づけば、いつの間にか中国やアメリカ・ヨーロッパの買い需要が戻っていて、日本人は完全に蚊帳の外に置かれてたのです。

 

 2010年秋から、2011年春に掛けて板材だけ細々と輸入できましたが、それもあの震災までのこと。

 東日本大震災以降イタウバ材は日本に来る目処は全く無くなってしまいました。

 情けないことですが、完全に足元を見られていて、交渉の余地はありません。

 

 こうしている間にも中国には普通に材が流れているのを指をくわえて見ているしかできないのです。    

 

 

 ちなみにこの間言い訳を聞くたびに私の口からでた言葉です。

 

 

中国に「KOBE」って街があるのじゃないのか???

  

 

 イタウバは市場から消えるしかないのか?

2012年2月の新しい流れ

 

 2011年秋

 極秘プロジェクトを任されてT氏はサンパウロ空港に降り立った。

 

 彼は、2010年春にもここに居た。

 イタウバの材を製材所で日本向けに挽かせたにも関わらず、

 「ワールドカップの最中はブラジル人は仕事なんかしないよ・・・」なんて嘘をみすみす信じて、第三国に材を横流しされた彼だ。

 

 「失敗は二度と許されない」

 

 彼が買い付けた材が、2012年1月大阪港に入港されるはずだった。

 

 あれ???

 

 「YOKOHAMA」 って書いている。

 

 そんな地名関西にあったっけ???

 

 まあ日本に着くのは間違いないみたいだから、どのようにでもなる話だ。

 

 彼は大型トラックに乗って名神高速をひたすら東に走って行った。

 

 

 彼の持ち帰る材ははたして、当たりなのか???

 はたまた大外れなのか????

 

 神のみぞ知る

 

 

 これが2012年1月31日のイタウバ材の真実なのです。

 

 20x105の板材は、2100から4200まで30cm刻みで一通り揃います。

 90角は、一部の長さですが、入荷があります。

 

 但し、この材が本当に日本品質なのか、否か???

 冗談抜きで、大阪に荷揚げされると思い込んでいたものが関東に上がってしまったので、トラックが大阪に着くまで分からないのです。

 

 但し、コストはかなりアップをしております。

 

 材を確認後価格設定を致します。 

 

 2月1日追記

 

 横浜からの第一便が着きました。

 20x105は満点をつけていいくらいの材です。

 90x90はこんなものかな???

 過去見た中で言うと、良いときのイタウバには届きません。

 

 が、代替材をいろいろ模索してトライアル輸入をしていた材よりは遥かにものが良いです。

 

 但し、真価が問われるのは、この材を倉庫において1か月程度経過をした後。

 前に倉庫についた瞬間に判断をして、大失敗をした経験があります。

 90角のうち数本は、販売をせず、経年変化を確認します。

 大きく暴れたり、大きく割れたり と言ったことが無いことをただ祈るだけです。

 

 価格については、正直なことを書いておきますが、これまでより約15%アップをしています。

 販売価格に何処まで転嫁をすべきか悩んでいるところですが、第二便の契約がまとまるまでは安易に金額提示をしない方が無難だと思っています。

 

 取り急ぎ従来の価格の10%アップで販売をしますが、

 この材を買わないと何を買うの???

 って言うのが2012年2月1日の正直な感想です。 

 

  乱文乱筆ご容赦ください。

 

 

 なぜこの時期に入荷があるの???

2012年4月から7月にかけて

 2012年2月 第二便は予定通りに入ってきたのですが、ここで打ち止め。

 過去の例と同様に第三便以降は全くの闇に消えてしまったのです。

 

 もはやイタウバは過去の材になってしまったな・・・

 

 と思っていた頃。

 とある人から信じられない話を耳にしたのです。

 

 「実は先週ブラジルで船積みしたイタウバがあるんです。 大阪に材が上がったら見に来てくれませんか?」

 

 本当なら、GW明けには欠品だらけになるはずが、なんと6月までフルラインナップで販売をすることができたのです。

 

 でも一つ大きな疑問が・・・

 

 今回の船ってなんで日本にやってきたの???

 これがさっぱり分からないのです。

 

 入ってきた理由が分からないわけですから、第二便の当ても入るやらどうやら分からないわけで・・・

 

 7月にはかなり売れて、歯抜けになってしまいました。

 

 今後もう1便はブラジルを出港しているという情報がありますが、それもかなりあやふやな話ですし、量的にもとてもフルラインナップが揃うようなものじゃありません。

 

 8月末から9月上旬に多少在庫が増えるのではないかと思いますが、焼け石に水だと思っています。

 

 やっぱりイタウバは市場から消えるしかないのでしょうか???

  

 本当のことは誰も知らない・・・

2013年1月

 2012年暮れ。

 もう在庫もつきかけたし、この樹を売るのも終わりかな・・・

 

 って真剣に思っていました。

 最後のつもりで12月にウッドデッキを組んでこの樹とお別れをするはずでした。

 

 ところが1月末

 「イタウバ一通り入りましたよ!!」

 

 えーーー???

 ついこの間まで入荷の目処全く無いって言っていたじゃない!!

 一番のお得意さん 逃がしちゃったじゃない!!

 

 って言っても後の祭り。

 次の入荷予定も有りますので、またしばらくこの樹に翻弄されそうです。

 

 安定供給の予感  2014-15年
 2014年 イタウバと日本をつなぐパイプがかなり太くなりました。

有る経営者が、これからはイタウバの時代だ!! と感じて、ブラジルを駆け巡ってくれたおかげです。

過去は、2便くらい来たら 次いつ来るの? って感じでしたが、 今は7〜8便来て、その次いつ来るの?
って言うくらいに量が増えています。

ただ、以前に比べて状況が悪くなっている点が一つ有ります。

以前は、サンパウロを出たら約45日で神戸に着くという予定が見えておりました。
現在そんな日数で入ってくるのは10数回に一度だけ。
ほとんどの場合、早くて2カ月・遅ければ半年近く掛かります。

原因は日本にもブラジルにもなくて、遣りたい放題のお隣の国。

だって、船は全て Shanghai 経由ですもの。
かの国はラテンの楽しいノリなんて通用しません。
かの国には、某大国のように契約なんて関係ありません。
でも、かの国からは待っているといつの間にか出港して、ある日突然神戸や横浜に材がやってきます。


入荷の頻度が数年前の数倍になっていますので、かの国の妨害なんて、蚊ほどの痛みも感じません。
中々常時フルラインナップ揃うほどは在庫が溜まりませんが、かなり良い感じの在庫状況になっております。


2015年3月27日の追記です。
今日だと全国で知っているのはほんの数人の超秘密情報ですが、4月1日にはプロはみんな周知の事実になっていると思います。

大きな声では言えませんが、今国内に存在するイタウバのほぼ全数と同じだけの材が5月から8月に掛けて順次入ってきますきます。
かの隣国に邪魔をされなければ、夏休み前にはフルラインナップ揃うはずですので、今年は胸を張って「イタウバお勧めですよ」って言います。
 新たな問題 2015年夏
問題と言うべきなのかそうなのかが自分で良く分かっていない話なのですが・・・

元々はウリン限定で、長さによる単価の強弱をつけておりました。
ウリンに関しての問題は、こちらを先に見てください

その後、イペやマサランドゥーバでも短尺材の入荷が増えて、いつの間にか長尺割増・短尺特価がハードウッドの常識のようになっております。

それはそれでもっともらしい理由を付けられるのですが、日本で売値の強弱をつけているだけでなくて、現地の買い付け段階で強弱をつけて買い取っているのが本当の話です。。
 
イタウバだけは事情が異なります。
この材は、数年前までは日本に輸入している会社が私の知っている限り全国で2社しかありませんでした。
今は私が知っているだけでも6社あります。
その中で、最初から買い付けている会社はウリンと同じ条件で買っており、新たに参入した会社は長さに関係なく同じ単価で買いつけております。
来週(2015年9月25日)にブラジルに行く人がおり、今後の買い付けに関しては、日本のハードウッド業界の状況等を説明して、日本スタイルの単価を強弱を付ける方向で交渉しますが、それがうまくまとまっても日本に材が着くのは来年の春から夏になります。
 
まだ先のことが決定しておりませんので、ホームページに掲載できないのですが、現在は出荷地ごとに短尺品は二重価格で見積もっております。

見積もり提示をする方に在庫表と事情を説明しておりますが、中々細かな話がしつらいので、こちらで補足説明をする次第です。

 イタウバの新時代が来た 2018年1月 
 過去の入荷騒動が嘘のように、2016年秋から2017年春に掛けて過去最大の入荷がありました。
それ以来半年以上経ちますが、相変わらず入荷は安定しています。
入荷が安定した最大の要因は、ブラジルの出荷元が複数になったことにあります。
2015年の時には半信半疑だったのですが、2017年になってようやく、確信になりました。
とある会社が、マットグロスト州のイタウバが本物で、パラ州のイタウバは偽物みたいなことをアナウンスしていますが、これが真っ赤な嘘で有るということがようやく分かってきました。
2018年1月現在、国内で流通しているイタウバは、両州のものが入り混じっています。
私の実感では、パラ州の材の比率がこの1年で急増していて、今で半々くらい。
今後は逆転をするものと思われます。

では、世間でイタウバの品質が落ちたといわれているのでしょうか?

No

それどころか、昔のイタウバより今のイタウバの方が綺麗だと私は思います。

そうなのです。 ようやくイタウバがプロの間で認知をされて、ようやく本格的に輸入されたのが、2016年秋だったのです。

ですから、それより前の情報と、それ以降の情報ではいろんなことが違っています。

皆様には、古い情報に惑わされず、最新の真実を知ってほしいのです。

今後イタウバは、パラ州のものが標準になります。
それはマットグロストより劣るのではなくて、良い材が安定的に供給されるための必然です。

世界地図をよく見てください。
ハードウッドは赤道に近いところで無いと良材は取れません。
どちらの州が赤道に近いかは歴然です。

もう一つ地図で分かる点があります。
パラ州の州都はアマゾン川の河口にあります。
マットグロスト州は山の中です。
重くて長い木材を運ぶには海運が必須です。
どちらがより運搬しやすいかも歴然です。

最後に街の大きさ。
パラ州や北隣のアマゾネス州には100万人を超える都市がありますが、マットグロスト州にはありません。
人が集まるところに大きな製材工場があります。
製材の技術も違うのです。

この3点だけでも2つの州の違いがみえてきます。
もう一度言います。
2015年にイタウバは大きな潮目がありましたので、それより前の情報は見ないでください。
2016年以降の情報こそが今の真実です。

と言うことで、これから先のイタウバには明るい未来があるのですよ。



ここからは2019年春の追記です。
マットグロストvsパラは、A社vsB社の中傷合戦にすぎません。
一部の会社は州を分けて販売していますが、うちを含めた大半の会社はその両方を混在して販売しています。
一人のお客様に対して混在した納品をしていますが、それが問題になったことは一度もありません。
それくらいの差しか無い物を如何にも大問題だと書いているにすぎないのです。
どちらの州のイタウバも本物のイタウバです。 最近両方を並べて確認する機会がありましたが、毎日検品している人ですらパッケージを見ないと産地は誰もわかりませんでした。
これが真実なのですよ。
 
 

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