ソフトウッド材の状況について  

2014年12月4日現在

 ソフトウッドの概況

 環境問題を真剣に考えると、政治的にも経済的にも安定をしている国の材をお薦めするのが最も安全な選択肢になります。

 植林木で、先進国で生産をされている木材ということになると必然的にソフトウッドに比重を移さざるを得なくなって来るのです。

 カリフォルニアレッドウッドやウエスタンレッドシダーはかつてオールドグロスと言われる樹齢200年以上の天然林を中心に伐採されていて、デッキ材も古木で目の詰んだ材が普通に流通をしていました。

 現在はそういった木材は少なくなり、若木で目の粗い人工林から伐採をされた木材が多くなっています。

 国産の杉桧は間伐材の有効活用という観点から推進をされていますので、もちろん若木。

 

 つまり、これらの木を使う時には、防腐加工や塗装、施工面での注意などを考えて、長持ちをさせる工夫をしなければいけないのです。

 ただ、今後安定供給が見込めるのはソフトウッドですので、今後のことを考えると真剣にソフトウッドで耐朽性をアップさせる工夫を考えなければいけないのは言うまでもないことです、

 

  

 カリフォルニアレッドウッド

● 材について

  北米の材の中でも、この木は協会の管理が行き届いているため、品質のばらつきが小さいです。

 ウエスタンレッドシダーと比較をすると、こちらの方が反りが大きい材が目立ちますが、自然乾燥ですがかなり含水率は低いですので、後で暴れるということはあまり考えなくてもいいように思います。

  環境問題で一番最初に叩かれた樹種ですので、多くの方がこの木は安定供給できないと誤解をしているのではないかと思います。

 ところが、需給のバランスが比較的取れていて、価格面でも在庫の面でも品不足云々とは無縁の材です。

  

  デッキ材は、100%セカンドグロス。 大断面の無節の材はオールドグロスが多いです

  2x4・2x6・4x4ともに小(中)径木から作られ、心持ちの材が多いですので、経年変化により割れる可能性は高いです。

 

 用途は様々で、ウッドデッキよりもベンチとか看板として有名な材です

 そういった用途に使われるのは、無節の大断面の材

 公園に納入しているとあるメーカーがこの樹を得意としていますので、そういったところで知らないうちに目にしている材です 

 

 

● 供給状況(2014.12現在)     

  デッキ材では、まずほとんどのサイズで品切れの可能性は低いと思います。

  アメリカ産ですので、超円高の恩恵を被っていて、順調に買い付けができています。

  

 ●サイトでご紹介していないサイズ

  6x6 とか 8x8 のラフ材があります。

  クリアーオールハートグレード(無節)ですので、価格はサイトでご紹介しているものよりは遥かに高いですが、用途によっては十分使い勝手があると思います。

  
★2017年7月の状況
トランプ大統領になった影響が北米の木材全般に出ております。
景気が好調なUSA. トランプ政権の保護主義。に加えて、世界一のダムの崩壊による大洪水。
カリフォルニアの木材に良い材料は有りません。
25%値上げをして、なんとか輸入量を確保しているのですが、今のままだと年末までに再値上げもしないといけないくらい現地の価格は急騰をしています。★

  

 ウエスタンレッドシダー

● 材について

   耐久性と価格のバランスを考えたらこの材が一番使い勝手があり、多くの方のご支持を頂いています。

  ただ、この木には産地全体の統一したグレードが存在をせず、各製材所が勝手にグレードをつけています。

  そのため、節つき最上級と言われても、それが他社とか他の樹種と比較をしてそうなのか? というのは実際に見てみないとなんとも言えないのです。

  

  今入っている材は、大径木に限定をした買い付けができていますので、品質面ではかなり良いです。

 一時この材も終わったか???

 と思いましたが、いやはや捨てたもんじゃないと再認識をしております。 

 

      

 ● 供給状況(2014.12現在) 

  現在現地挽き・新国内製材とも潤沢に材がありますので、ほぼ全サイズ欠品なしで販売できます。
一時現地挽きのクリアグレードが品薄でしたが、現在は大丈夫です。

   

 ●サイトでご紹介していないサイズ

 この木は丸太もあります。 

 価格は高額になりますが、さまざまなサイズのご要望にお応えできます。


★2017年7月の状況
トランプ大統領になった影響が北米の木材全般に出ております。
景気が好調なUSA. トランプ政権の保護主義。に加えて、カナダの山火事。
カリフォルニア同様ブリテッィシュコロンビアの木材にも良い材料は有りません。
現地の価格は急騰をしていますので、いつまで販売価格を維持できるかが最大のポイント。レッドウッド同様値上げをするときはいっぺんにどーんと上がりますので、早めのご注文がお勧めです。★
 

 
 SPF

● 材について

   圧倒的な流通量から、数量の心配はまったくないのがうれしい材です。

 但し外部に適した特徴がありませんので、性能面では期待はできません。

  最低限適切な防腐加工をして、さらに風通しがよくなるような施工をしないと1〜3年程度で腐る可能性があります。

  KD(人工乾燥)をしている材に防腐薬剤を高圧で注入するのですが、再乾燥をする過程でかなりの反り、ねじれが発生する可能性があります。

 価格面・供給面でとても魅力はありますが、性能面を期待するのでしたら、この木だけは対象から除外をされたほうがいいかと思います。

 

 ● 供給状況(2014.12現在)

 

数量はそれなりにありますが、価格は値上げをせざるを得ない状況です。

 

 2013年5月 思うところを別に書いてみました。>>>

     
★2017年7月の状況
レッドウッド、レッドシダーと違って、こちらは価格の波が大きいです。
値上がりするときはどーんと上がりますし、逆にしばらくすると反動でどーんと下がります。
過去10年を見ると、今はちょっと高めの時期になります。
山火事の影響はレッドシダーよりもSPFが顕著です。工場を閉鎖しているところがありますので、秋には確実に品薄、値上げという図式が見えています。
デッキ材としてはできる限り波を抑えて販売をしますので、今のところは急激に値上げする予定はありませんが、しばらく市場のなりゆきを注視したいとおもっています。★
 

  
 杉桧

 ● 材について

 北米の材の品質低下、価格急騰とともに全国で杉桧のデッキ材を流通させようという動きが活発になってきています。

 古来より外部に使われていた木ですから、元々日本人にはもっと慣れ親しんでいた木です。

 赤みにはかなりの耐久性が期待をできますが、赤みに限定したデッキ材だと目が飛び出るほどの価格になりますので、安価な材に防腐加工をするということが必要になってきます。

 乾燥・製材の流れがきちんとできていますので、北米の材よりは圧倒的にこちらのほうが寸法精度・反りねじれという点では優れています。

 また柾目、板目を考えた製材をしていますので、材の素直さでもお勧めです。

 

  ● 供給状況(2014.12現在)

 

山からの出材は多く、住宅の需要も旺盛で、何の問題もない。
と言いたいところですが、外部使用を考えると問題山積です。

 

 奇麗事ではない本音のページもつくりました>>>

 

 ●サイトでご紹介していないサイズ

   これはどんなグレード・サイズにも対応できます。

   レギュラーサイズは一等ですが、価格に糸目をつけなければ上甲(無節)もできます。

   2006年12月 上甲の本実加工を納めましたが、そりゃきれい。 でも値段も・・・ 

★2017年7月の状況
新サイトになって大きく状況が変わっております。
配送の問題と、担当が2人になったことで、以前は100%香川県出荷でしたが、現在は90%程度が愛知県出荷になっています。
裏情報は、香川県に居る杭田(くいだ)が、書いていますので、大半の方に出荷している材の状況はこちらで書いていることとは違います
香川県出荷限定で、モクボープラストーンブラック(MPB)シリーズを販売します。
防腐加工した後にモクボープラストーンを塗布して、防腐薬剤を黒っぽく変色させた商品で、無塗装でも見た目に美しくお使いいただけます。
半年程度お試し販売をして、名古屋出荷をするかどうか決めようと思っています。
商品は2年前より高松市のホームセンターに並んでいる商品で、売れ行き好調で生産が追いついておりません。
本当は全国に打って出たいのですが、何せ香川県から本州への送料がネックになっていて・・・
売りたい。
けど売れない。
というとても大きなジレンマを抱えているのです。
 

  
 防腐材の色について

 これまでのように、耐朽性の高い天然樹のデッキ材が流通しにくくなることを考えると、これまで以上に防腐加工により、耐朽性をアップさせる必要が生じてくるのは必至。

 現在タナリスCYを加圧注入した、SPF・杉桧材をご紹介していますが、防腐材の色を気にされている方が多いのではないでしょうか?

 緑の色は着色をしているのではなくて、防腐材に含まれる銅イオンが空気に触れて発色をするものです。

 

 当社では、この薬剤以外に「モクボーAAC」という無色の防腐材を自社開発しています。

 今後、「モクボーAAC」加工をしたウッドデッキ材を供給できるように各方面と交渉をしているところです。

 加工は今日でもすぐに可能なのですが、流通面でまだまだ問題を抱えていて、商品としてきちんとご紹介できるのはしばらく時間がかかると思います。

 納期が2週間以上かかっても構わない方でしたら、今でも販売可能ですのでお問い合わせください。

  

 

 
 サイトで紹介していない材

 サイプレス(豪州ヒノキ)

  時々ご注文をいただきますが、在庫・入荷状況ともに不安定でとてもレギュラー化をすることができません。

  たまたま在庫があれば安価に出荷できますが、ないものを探すと・・・

  ご依頼がありましたら見積もりはいたします。 

  但し、個人の方に少量販売をすることはできませんのでご了承ください。

 

 ヒバ・ベイヒバ

  耐久性に優れた針葉樹と言えばヒバ。

 国産物はデッキ用途としては価格面で折り合いがつかないかと思いますが、ベイヒバは結構工務店さんからのご要望があります。

 

 その他、国内に流通している材でしたら、ご相談いただきましたら何とか対応いたします。

  

 
 最後に余計な一言  

 コストを無視して、性能面だけでソフトウッドを比較してみたらこんな感じになります。

 

  耐久性

  自信を持ってお奨めできる材 ・・・ 桧防腐加工、ウエスタンレッドシダー

  まあいいんじゃない? と言える材 ・・・ レッドウッド、サーモウッド

  価格なりですよ ・・・ SPF防腐加工

  外で使っちゃだめですよ・・・SPF無処理材、杉桧無処理材

 

  反りとかねじれ

  自信を持ってお奨めできる材 ・・・ ウエスタンレッドシダー国内製材、桧防腐加工、サーモウッド

  かなりいいよ と言える材 ・・・ ウエスタンレッドシダー現地挽き(防腐加工を含む)

  まあいいんじゃない? と言える材 ・・・ レッドウッド

  価格なりですよ ・・・ SPF無処理材、杉16x88防腐加工(このサイズは絶対に反ります)

 乾かないうちに施工をした方がいいですよ ・・・SPF防腐加工

 

 木の目あいとか雰囲気はどの材もいいです。

 防腐加工をしているものはこの点では色目がよくないのでワンランク落とさなければいけないかも知れませんが・・・

 

 と言うことで、私が使うのならどれ???

 と聞かれたら信じられないかも知れませんが、桧を第一位に上げます。

 次いで、ウエスタンレッドシダー。

 その次が、レッドウッド。

 もし屋根があるのなら、SPFを一番に持ってきてもいいですが、屋根がないのならこの樹は絶対に使わないです。

 というのが本音ですね。

 

 

   

 

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