2000年(平成12年)にグリーン購入法が制定されました。
エコ・京都議定書によるCO2排出制限。
ロシア・中国の木材輸出関税の大幅な引き上げ。
様々な要因から国産材に風が吹きました。
と・こ・ろ・が
その風のおかげを被るはずだった杉桧のデッキ材は、全くの販売不振。
非常に残念なことですが、しばらくは新規の製造を見合さざるを得なくなってしまったのです。
原因は地産地消を行政の思惑だけで進めたことにあります。
生鮮食料品だと、誰もがこういう風に思うと思います。
「産地で買うと、新鮮で安くておいしいものが手に入る」
行政が旗振りをしなくても消費者がこういう風に思っているわけですから、自然に地産地消の流れになって行くのです。
木材の場合は、農産物ほど狭い範囲で地域に密接をしているわけではありません。
私がいるのは香川県坂出市。
ここはかつては塩田の街で、現在は工業の街です。
ここの市役所が、「市の公共事業には市で取れた木以外使ってはならない」 という規定を決めたらどういうことになるでしょうか?
こんな単純なことが行政には理解ができません。
国の場合は、東京でとても偉いお役人様が机上の理論だけで法律を作ります。
県だと県庁で同じように条例が定められます。
当サイトで2006年8月より4年間ほど紹介をしていたのは、香川県の公共事業を当て込んで、香川県産の杉桧で作ったウッドデッキ材です。
条例通りに現場が動けば、大量にしかも定期的に需要があるはずだったのです。
条例制定直後は律義な注文がありましたが、それも数か月しか続きませんでした。
この条例のおかげで、香川県産材の利用が振興された。
訳は無くて・・・
県の公共事業から天然木材の指定がどんどん削られて工業製品に置き換わって行きました
木材を使おうと思うと、「県産材」の指定を入れなければダメですが、工業製品だとそんな指定を入れる必要がありません。
リサイクルウッドを使えば、エコに貢献するという大義名分は成り立ちますので、県産材が売れるはずだった物件はどんどん人工木材に置き換わっていきました。
とても残念なことですが、こういったことが全国各地でこの数年に起こっています。
もう少し広域に範囲を設定すればよかっただけのことなのです。
香川県だと隣の徳島・高知・愛媛県は林産県ですから、品質が良く安価な木材が安定的に供給されます。
自分の県にこだわったため、高価であまり良質でない木材を無理やり作って無理やり消費をしなければいけない。
これが如何にお題目の地産地消と矛盾をしているかを考えればいいことだけなのです。
愚痴になってしまいましたが、また潮目が変わる時が来ると思います。
現在は円高・世界的な不況のおかげで、外材が安価にしかも安定的に供給されていますが、それはとても細い綱の上を渡っているにすぎず、今日当たり前のことが明日も当たり前だと思っていたら、必ず痛い目にあうことは必至です。
近い将来、国産のウッドデッキ材に日の目が当たる時が必ずやって来ると信じています。
そのための小さな布石を2011年秋に打ちました。
小さな石が大きな岩や山になるかどうかは、今後の楽しみなのです。
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