2012年秋から2013年春に掛けてのSPF材について

2013年5月8日現在

  
 はじめに  

 住宅の構造材として、一番多く使われている木をご存じでしょうか?
 国産材だと桧や杉が一番最初に思い浮かぶと思われるかも知れませんが、21世紀の日本の住宅産業を下支えしているのは、次の3樹種。
 米松(ダグラスファー)、SPF、ホワイトウッド。

 

 これらはカナダや北欧が産地なのですが、そこは冬は厳寒の地。

 冬には伐採できませんので、秋に品不足が起こるとこうなることは誰も目にも明らかだったのです・・・

 

 2012年秋。 アメリカの住宅着工はとても好調で、カナダも北欧もアメリカに材を売れば十分な利益が確保できるようになっていました。

 極東の地まで無理して材を運ばなくても良い素地がここでできていたのです。

 

     
    
 円安は引き金では無くて、追い打ち。  

 上で書いたとおり、値上げ・品不足の兆候は秋にはすでに出ていて、年末近くにはどうしようもない事態になっていたのです。

 

 年末に安部政権が誕生して、それまで1ドル80円程度だったのが一気に90円に。 気づけば100円を伺うような円安水準。

 

 いつもならここで現地価格ベースの価格は落ち着くところですが、何せ品不足ですので、現地価格は天井知らず。

 為替も天井知らず。

 

 僅か3ヶ月で資材の調達コストは80%アップと言うまるで高度成長の再来のようなとんでもない事態になってしまったのです。

   

     
 夏以降の見込み  

 為替は25%アップしましたが、上で書いたとおり調達コストは80%アップになっていて、半年前にこんな話をしたら誰も信じてくれないような事態になってしまいました。

 

 さずがに為替が今後更に25%上がることはあり得ないと思いますが、現地価格ベースではまだそれくらいの値上がりはあっても何らおかしくありません。

 

 消費税の駆け込み需要を見込んで、商社は価格に関係なく、強気に買い続けています。

 

 日本で販売しているよりも現地価格の方が高いのがもう4か月も当たり前のように経過をしております。

 

 さすがにここまで金額が上がると別の樹種に変更する会社も出てきていますが、残念ながら国内で必要とされる量を確保することができる代替樹種がありません。

 

 つまり、まだしばらく(常識的に考えると来年の春まで)は、値上がり・品不足は続くと見るのが一般的なのです。

  

  
 最後に  

 住宅用材としてあまり使われない樹種はこんなアンビリーバブルな事態にはなっておりません。

 ですから、同じ産地の材でもウエスタンレッドシダーやイエローシダーはSPFや米松ほどの値上がりは起こっておりませんし、今後も起こらないと思います。

 

 このサイトを見てくれている方の大半は、SPFよりもウエスタンレッドシダーを選択する人だと思います。

 

 価格を追うものは価格にやられる。

 

 まあ当たり前のことですが、このアンビリーバブルな事態が収束をしたときにはたしてどんな時代が待っていることやら・・・

 

 来年の春 もう一度検証をしてみたいと思っています。

  

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