材の暴れについて

 木材は生きるために多くの水分を含んでいます。 そして切ってもなかなか抜けにくいという特徴があります。

 また年輪は一定ではありませんので、水分を多く含んでいる部分とそうでない部分があり、乾燥をしていく過程で木は収縮をし、また反っていきます。

 デッキ材として、できる限り乾燥した材を使うことが望ましいのですが・・・

 

 もちろん反り・狂いのない材を受け取りたい気持ちは理解できますが、ウッドデッキという用途と、建具とか住宅の柱などの用途での要求される品質の程度、価格面は大きく違います。

 外部に使用をする場合に要求されるレベル・品質・コストのバランスを考慮した材を販売していますので、ご理解頂き、多少の材の暴れに関しては矯正して使用されるようお願いいたします。

 

 

 まずは、SPF防腐加工・ 2x6-8Fの材を見てください
002.jpg (78182 バイト) 001.jpg (78846 バイト)

いやあ いっきりねじれていますねぇ。

 なんて関心している場合ではありませんが、防腐加工をしてから外部に1ヶ月ほど放置をしていた材です。

  

 防腐加工直後にはまったくねじれは気になりませんでしたので、もちろんこの材は良材として出荷をしていたはずの材です。

  

 たまたま16Fの材を8F 2本に切ったものですから、この1本が余ったのです。

 

 もう一度言います。

 最初はねじれていなかったですので、写真を撮る1か月前にまず間違いなく良材として出荷をしていたはずの材です。

 防腐前に検品をしたときにはねじれに気づかないほど軽微なものでした。

  

 防腐加工をする前も、した直後も問題なかった材ですが、短く切ったことと、KD材に防腐剤を大量に加圧注入し、その後再乾燥をする過程で暴れたものです。

  

 次いでウエスタンレッドシダーの場合
009.jpg (75351 バイト) 008.jpg (66143 バイト)  1ヶ月ほど外部に放置をしていたらこの通り横ぞりをおこしてしまいました

この材も納入されたときには反りにはまったく気づきませんでした。

  

 ある日ふと見ると・・・

  

 あれ? かなり反っているじゃありませんか。

 よく糸を張って真ん中が何センチ以上だと不良材という人がいますが、おそらくそういう人に見せたらこれは不良材でしょうね。

  

 私は全然違う見方をします。

 この木は目も詰まっていますし、年輪も素直ですし、とてもいい材です。

 それでもこの程度の暴れは生じるのだということを認識することが木を使う以上大事なことなのだと思います。

   

いずれも暴れる前の写真がないので、最初から反っていたんじゃないか!! と思われるかも知れません。

 そんな貴方は次の写真を見てください。

 ウッドデッキのある風景でご紹介しています、当社の食堂前のウッドデッキ

 2x6の床板が1本こうなっちゃいました。

 写真は直す前のもので、上のリンクをよく見ていただいたら矯正後の写真もあります。

  

 これは不良材なのだから張り替えるべきだと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、ちょっと直せばいいだけのことだと私は思っています。

 

 

 ここで誤解をする方もいらっしゃるかと思いますので最後に補足をしておきます。

 材は真っ直ぐのものが望ましいと言うことはもちろん理解をしていますし、極端に酷いものを商品として販売する気持ちもありません。

 ただ、検品の基準によく皆様から何センチの反りが許容なのか?

 と聞かれるのですが、木材にはそのような数字による基準は存在しないのです。

 

 もちろん検品の基準に反り・ねじれが小さいことというのはあります。

 それは、数字で規定を設けるのではなく、見た感じで判断をします。

 ですからこんなに反っているのが許容範囲なのか? とお叱りを受けることもあります。

 またこんなにいい材を入れてくれたと喜んでいただくこともあります。

 

 そんなものだと思っています。

 同じ木を見ても、皆様が思われる印象はまったく違うものです。

 自然のものを販売していますので、機械もののような基準を当てはめてもしかたがないものだと思っています。

 

 素直な木もあればちょっと捻くれている木もあります。

 天然のものですから、それが自然な姿  優等生しかいない社会はつまらないものですよ。

 

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