管理人の施工日誌 <VOL.2狭い隙間編> の施工

2004年7月

  
 1設計・木拾い

2004.06.15〜06.21

 ウッドデッキのある風景の番号と施工順が一部前後をしています。 一番最初にVOL.2の方を施工をしましたので、施工日誌ではこちらを先に載せさせていただきます。

 まずは当時作成した資料をご覧下さい。 (右上の図面・木拾いをクリックしてください)

 正直なことをいいますと半年経過した今、これらを見ると恥ずかしい限りですが、このときはJW_WINも初めて触ったような状態でしたのでこれが精一杯でした。最初の現場が単純な構造だったので自分でもなんとかなると思ったのです。

 

 ●北向きのリビングと隣との距離は80cm。 

 ただの隙間ですが、朝日が注ぎ込み、良い風が通るのです。 

 なんとかならないものでしょうか?

 写真下は反対側(西)。 玄関方向にはさらに狭く36cmしかありません。 これでは草抜きもおいそれとできません。

 

 ◆そこで、リビング前の段差を解消し、おしゃれに活用できるようウッドデッキを作ります。

 床板はウリン材20x105 RIB、根太・束はウリン材60x60 E4E (図面では束が米ヒバとなっていますが、ウリンに変更しました)

 玄関方向は真ん中あたりには手が入りませんので、ブロックを3個置き、その上に30x105のデッキ材を3枚並べてみることにしました。

 用意した資材は次のとおりです
 ウリン材 20x105x2500 20本 710 , 820 にカット 2/3本が予備
 ウリン材 30x105x3000 3本 予備無し
 ウリン材 60x60x3000 2本 そのまま根太に使用
 ウリン材 60x60x3900 2本 3500を根太に、残りを束に使用
 ステンレスビス(4.1x38) 200本 ホームセンターで購入
 束石 14個 ホームセンターで購入
 L型金物 16本 ホームセンターで購入
 木拾いを見れば直ぐに分かりますが、60角はこの段階で不足しています。 会社にたまたま2m程度の端材がありましたので、足りなければそれを使うつもりにしていたので木拾いに入れていなかったのですが、それも甘かったことを後で知ります。 
 DATA  

メインの部分

   5.2u (6.5mx0.8m)

玄関方向の狭い部分 

  0.9u (3.0mx0.3m)

図面>>>JW_WIN  

PDF  エクセル

 木拾い( エクセル)>>>

施工時間

8時間(2人・工場での準備は含まず)

i001.jpg (76449 バイト)
i002.jpg (58651 バイト)
 2 施工の下準備

2004.06.21〜07.05

 6月21日にご注文を頂いてからいろいろ施工に役立ちそうなことを聞きました。 特に一番不安だったビス揉みのコツを教わったことで随分気が楽になっていました。

 材は大阪より配送する手配をしましたので、次に施工に必要な道具の確認です。

 個人が持っている工具以外に足りないものは一から買い揃えないといけません。

   インパクトドライバー ・・・個人所有(私のはホームセンターで\8500で特売されていたもの。Yさんはプロ用)

   皿錐・・・ホームセンターで新規購入 (案外置いていない店が多く、サイトで通販することを決定)

   丸のこ ・・・ 個人所有(ホームセンターで\4000で特売されていたもの)

   差し金 ・・・Yさんの個人所有

   その他アイテムは上に書いたとおりホームセンターで購入。

 現場が市街地なので足りないものがでれば買いに走ればいいという安易な気持ちで準備をしていました。

 つまりこの時点ではDIYerにも劣る装備で仕事を請けているのです。 今から考えると怖い話です。

  

 唯一プロと呼べるのは会社がパネル工場なので、クロスカッターがあり、資材をmm単位で正確にカットをするのが容易なこと。   そこで床材710 と820 は全て工場で正寸カット。 これだけでも当日の手間が全然違いました。  

 3 いざ施工開始!!!

2004.07.06 午前中

 7月6日午前10時半 初めての現場に取り掛かりました。

 まずは束石を敷き、レベルを取り束をカットをし、根太を施工します。

 元々砂利を敷いていたのと、巾が80cm程度しかないので、ウッドデッキが荷重で下がる可能性は低いと判断をして、束石は埋めませんでした。

 

 写真はお昼ご飯直後です。  1時半頃には根太が完成していました。

 木拾いのところで触れたとおり、用意していた材では足りず、予備に持っていった材もあらかた使いきりました。

 原因は至極単純。 束の高さを過小に見積もっていたのです。

 

 ★現場合わせの部分は多少余裕を持つべし★

 4 床板を張るぞ!! ビス止め

2004.07.06 午後

 現場が狭いので、下穴を空ける作業は根太の上で行ないました。 私が下穴あけ、Yさんがビス止めと連携作業です。

 20mm のウリン材を止めるのに4.1x38のステンレスビスを使用します。

 下穴の大きさは4.0mm。

 えっ? そんなに緩くて大丈夫? と言う声もあると思いますが、これでとても頑丈に止まります。  これまで細い下穴でしかも細いビスを使っていましたが、何回もビスを折りました。

 今回は180本ほどビス止めをしましたが、折ったものは0。 多くの人に聞いた成果が出ました。

 極端な話、上側の板の下穴はビス径より若干大きめに空けても大丈夫だと思います。

 それと座堀を必ずすること。

 これをしないと最後にビスの頭がねじ切れます。

 もう一度言いますが、ハードウッドで失敗しない最大のコツは

 ★「ビスは太く短く、下穴あけに手を抜くな」★

 

 この日はビスは折れませんでしたが、下の写真のようにドライバービットが折れたり、ビスの頭をなめて潰したりしました。 くれぐれも慎重に作業はしなければいけません。

 5 床板を張るぞ!! 材の隙間は?

2004.07.06 午後

 図面を見ていただくと分かりますが、床板は6から7mm間隔を取る予定にしていました。

 いざ床を張ろうと仮置きをしたところ、二つ問題が起こりました。

 一つはキチンと6mm間隔に材を並べることが困難であること。  6mm間隔にするなら、6mmのスペーサーが必要だと言うことに気付きました。

 もう一つはこの間隔だと下が見えて見苦しいし、結構大き目のものでもデッキの下に落ちる可能性が高いということです。

  そこで急遽差し金をスペーサー代わりにすることに。 3mm弱の間隔になりましたが、当初の案より随分仕上がりはよくなりました。

★デッキの隙間に合わせたスペーサーを用意しよう★

 6 床板を張るぞ!!  ビス止めは充電との闘いだ!!

2004.07.06 午後

 7月上旬・午後2時過ぎの西日本はとんでもない暑さです。 この日ももちろん35度オーバー。

 現場に直射日光が当らないので人間はなんとか我慢できたのですが、機械はダメでした。

 インパクトの充電器が使えません。 2時半以降は作業をしている時間と充電待ちが同じくらい掛かります。

 お客様のご好意に甘え、冷凍庫をお借りして冷やしながら何とか充電をし、午後6時に作業完了。

 床張りが一番楽しいと言う人が多いですが、このときは床張りが最大の苦しみでした。

  

 7 まさにビフォーアフター 別空間が生まれました

2004.07.06 PM6:00

デッキが完成すると、最初に思いもしなかった良い空間になりました。 

 段差が無くなったことで出入が楽になりましたし、目線が40cmほど高くなったことで広々とした感じがしました。 写真ではそういったところまで伝わらないのが残念です。 

36cmの隙間にも木を敷いたことで随分雰囲気が変わりました。

 施工から3週間後に伺ったところ、デッキにはお花を飾っていました。 リビングから見た風景も施工前とは一変。 思い切って手をつけた甲斐があったと大喜びでした。

  

 施工後半年後に当時のことを振り返りながら、このページを作りました。

 今から思えばもう少しスムーズにできた部分は多いかと思いますが、出来上がり自体はとてもすばらしいものができたと自負しています。

 I様の施工をさせていただいたことで、これまでと見方が変わり、ウッドデッキの仕事を住宅とは切り離して考えるようになりました。

 I様を始めとした最初の3件の工事は、直接私が受注をしたわけではなく、DMBホームで設計をしていただいています柴田建築工房の草原さんより依頼がありました。

 草原さんは、お客様からデッキ工事を頼まれたものの、既製品にない、自然でメンテナンスが入らずしかも予算の範囲に収まるものを探していました。 たまたま新築住宅の打合せをしていたときに、ウリン材の話になりトントン拍子に3件とも話がまとまり、その後共同で営業をする機会が多くなったのです。

 2004年7月の段階ではそれぞれの本業のおまけといった認識だったのですが、数ヵ月後に広告を出すときに、お互い本業とは別の名前でこの仕事を請けることを決めました。 

 「ウッドデッキネット&LEAF GREEN」 として2004年10月にスタートをするのですがこのときにはそんなことになるとは夢にも思っていませんでした。

 ウッドデッキのある風景はI様と草原さん無くしてはなかったと思います。半年を振り返って改めて感謝をしています。

 2005年1月 皆様に感謝をしながら・・・ 杭田正夫

  

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