ハードウッド

   

 ハードウッド・デッキ材の選択にあたって

2008年11月修正

 ハードウッドの材を選択するにあたってワンポイントアドバイス。 皆さんのこれだと思う一品をご検討ください。
     
 床材は20mm?30mm?

 数年前は、20・30半々程度のご注文でしたが、2008年は圧倒的に20x105のご注文が多くなっています。

 ちなみにウッドデッキのある風景で紹介している施工例は20mmの方が多く、時々30mmも使っているというところです。

    

 ハードウッドの場合、家庭のウッドデッキとしてはどちらでも充分な耐久性が見込めるかと思いますので、施工性と価格のバランスでご検討いただいたらいいかと思います。

 

 20mmと30mmで1.5倍厚みが違いますので、根太ピッチはそれに相当するように設計をする必要があります。

 家庭のデッキだと20mmで60cmピッチ、30mmで90cmまでを目処にしたらいいかと思います。 店舗や公共の用途だとそれぞれ10cmは狭くしたほうが安全かと思います。

 

 ちなみに管理人(体重60kg)がウッドデッキを歩いた感じでいうと、

 20x105の場合、ピッチが50cm以下だとしっかりとした感じがします。

 55cmを超えると、本人は気づきませんが、横から見ると材がたわむのが分ります。

 65cmを超えると歩いていて少し頼りないのを感じます。

 70cmを越えたら完全にたわんでいるのが実感できます。

 こんな感じです。 30mmだとこの数字を1.5倍して見ていただいたらいいかと思います。

 

 それともう一つ。 根太ピッチを広く取ると、経年変化により材が暴れた時に床板がガタガタになります。

 これを防ぐには、材の厚みに関係なく、根太ピッチは狭い方が望ましいです。

 

    
 束や根太のサイズは?

 根太は高さと強さが比例をします。

 60角よりは、50x70を縦に使うほうが強いですし、45x90だともっと強くなります。

  

 900ピッチで大引き(根太)を組むとすれば、最低でも高さが70mmは欲しいところです。

 サンドイッチで30x105とか、30x120を使えば、もっと束のピッチを飛ばすことが可能ですが、その場合は1本当たりの束にかかる荷重が大きくなりますので、ボルトを使ったり、束を切り欠いだりして、上からの荷重に耐える構造にする必要があるかと思います。

   

 束の太さは強さと言う点ではあまり考慮する必要はないかと思います。

 60角でも強度は充分ですが、見た目に貧弱なのがつらいところ。

 ウッドデッキのある風景で紹介している施工例は以前は60角や70角を多用していたのですが、最近は見た目を考えて90角を多く使っています。

 

 鋼製束など手軽に調整ができる束を併用すると施工性は格段に楽になります。

      
 いったいどの材がいいの?

ハードウッドにすべきか? ソフトウッドにすべきか?

 木の風合いはソフトウッドの方が自然ですし、柔らか味があります。 また加工性も軽く柔らかい分いいですので、そういったことを望む場合はソフトウッドをお奨めします。

 耐朽性重視で、無塗装の風合いを楽しむならやはりハードウッド。

 

 ハードウッドの中ではいろいろな樹種をご紹介しています。

 単純に順番をつけることができればいいのですが、天然の木材ですので、その時流通している材の品質面も考慮をしなければいけないため、今日の点数が明日の点数と同じというわけではありません。

 そういった点も踏まえて、2008年11月現在の状況からご案内をいたします。

 

 イペ(ブラジル)

  耐朽性、材の素直さ、暴れにくさ、肌触り こういったウッドデッキ材に求められる条件を総合的にクリアーした材として、この材は最も性能面に優れた材であるかと思います。

  2007年以降伐採規制がとても強化をされ、入荷が激減しているのは辛いところですが、それは合法的な木材しか流通をしなくなったという証であると思って頂いたらいいのではないかと思います。

  

 ビリアン(マレーシア・インドネシア)

  イペに次いでというかほぼ互角な材として性能面で安心できる材です。

  欠点として、赤い灰汁が出ることとや、細かい干割れが入ることがありますが、次にあげる材に比べると確実に長所の方が勝っています。 このあたりは長所を取るか、欠点を嫌がるか。 人により別れることろかとは思います。

  旺盛な需要に供給が追い付いておらす、20x105・90x90といった人気サイズが常にタイトですので在庫状況には要注意です。

 

 セランガンバツ(マレーシア・インドネシア)

  性能面では上二つには大きく水をあけられているといっていいかと思います。

  ただ、原木の量がウリンとは桁外れにこちらが多く、この材の流通量が現在より少なくなることはちょっと考えられません。

  今後のスタンダードと私は見ています。

 

 ここまでがメジャーな材。 ここからは最近入荷が多くなってきた材です

 

 マニルカラ(マサランドゥーバ・カンドーレ)  (ブラジル・インドネシア)

  2005年に大フィーバーした材です。 とても木肌が滑らかですので、おそらくサンプル材を見比べたら皆さんこの木を支持されると思います。 反り・割れが目立つ木ですので、5年先の評価をきちんと見極めないと、この材の真価を語るのはどうかと思います。

  あくまでも2番手グループの一つという評価であって、2番手グループの中では抜群にいい材であると思います。

 インドネシア産のカンドーレは今後入荷が増えてきそうなニューフェイスです

 

 イタウバ (ブラジル)

  2006年に大フィーバーした材です。 ご紹介をしているハードウッドの中では最も柔らかく、施工性に優れています。

  多くのDIYerから支持をされた樹ですが、最大の難点は安定供給できないこと。 非常に産地が狭い木で、流通量も少なく、需要に応えるだけの輸入を安定的にすることが不可能なのです。

 

 クマル (ブラジル)

  イペが入荷不安定になるとどこからか突然現れる材で、イペが安定供給をされているときにはほとんど見かけない材。

  この言葉でこの材がどういう立場にあるものかご理解をいただけるのではないかと思います。

  ただ、この材は磨くととても奇麗になります。 デッキ材としてはイペの2番煎じにすぎませんが、フローリングとかテーブルの天板のような使い方だとピカ一です。

 

 この他にも新しい樹種が今後次々出てくると思います。

 新しい樹種には長所がありますが、必ず何らかの大きな欠点があります。 そういったことも踏まえて樹種のご選択をされてください。

 

ハードウッドの特性について

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