木材の最新供給事情  

2010年2月26日現在

  このページは2010年2月に書いております。

 回顧では無く、当時の本音を書いておりますので、そのまま残します。(右上に日付があるのは全て同じです)

  

 2009年初めは良いニュースが多かったのです

 2008年秋にリーマンショックが起こり、その後世界同時不況

 新聞紙上では「不景気」の文字を見ない日はありませんでした

 

 ところが・・・

 

 不景気の始まりは、買い時なのです

 

 現地では好景気だったアメリカ・ヨーロッパ・中国向けにどんどん生産をしていて、その売り先が無くなって困り果てていました

 

 2009年はこの数年では信じられないほどの良材が! しかも 安価に日本に向かって船出をしてくれたのです 

  

  

 2009年秋には円高の恩恵が!

 ご存知の通り2009年秋には超円高

 円高=輸入商品が安くなる

 誰しも考えることです

 

 で、2009年の後半には更に円高メリットも加わり、この数年で最も安価にしかも良材が日本に向けて船出をしてきたのです

   

  

 2009年の暮れに感じた違和感

 円高は続きます

 日本だけを見ていたら、まだまだ安価な材が入ってきているものと信じて疑っていなかったのですが・・・

 

 2009年12月・2010年1月・・・

 産地を問わず、現地から船積みされる木材は一気に激減しました

 

 理由は単純明快

 売れないから作らない

 

 現地の人も生活が掛かっています

 日本なんてたいして購買力が無いと分かっていますので、いつまでもおいしい思いをさせてくれません

 アメリカ・ヨーロッパの需要が激減している今、生産を縮小するのが必然

 

 2009年11月まで溢れていた現地の港頭在庫は姿を消し、量が少なく、高値の材しか出回らなくなっていたのです

 

 その時期に船積みが少なかった影響がはっきり出たのが2010年の2月なのです 

 

 
 東京は資材バブル

 例年のことですが、1月後半から2月後半までが年度末需要の最盛期

 去年の秋の状況を知っている者にとって、この時期に品不足を生じるとは夢にも思わなかったのです

 

 西日本では工事物件が少なかったので、そんなに大きな混乱は生じませんでしたが、東京はエライことになりました

 

 工期は決まっているのに材が無い

 

 イペ材は奪い合いの様相を呈してきました

 正直な話、私は今年は当事者ではないので、横目で騒動を見ているだけですが、工事業者がとても利益が出たとは思えません

 

 去年のうちに材を確保しておいた会社は予定利益が出たでしょうが、ギリギリに発注をした会社は赤字のところも多かった(過去形で書いていますが、その影響がでるのは数カ月先でしょうが・・・)はずです

 

 

    

 気づけばアンビリーバブルな状況に!!

 今カナダでSPFを買おうと思うと、サイトで公開している小売価格より高くなっています

 僅か3ヶ月で、2倍に値上がりしてしまいました

 ですから 誰も買いません

 

 ですから、4月・5月にカナダから日本に入る木材は激減をすることが予想じゃなくて、確定しています

 

 問題は、現在国内に存在する在庫がいつまで持つか?

 現地の価格は今後どうなるのか?

 

 これは誰も予測ができませんが、確実に言えるのは、

 「今後外材は値上がりをする」

 

 これは産地は関係ありません

 東南アジアも、南米も北米もまったく同じ状況

 さすがに2倍と言うのはSPFだけですが、高値・品不足はどこも同じなのです 

    

 

 世界での日本の位置づけ

 

 かつては世界2位の経済大国で、世界中の資材を金にあかして買いあさっていた日本

 現在は残念ながらそんなのはかつての夢のまた夢

 

 現在の評価は、「買う量は少ない・金は出し渋る・品質はうるさい」

 で・・・

 他の国が好調だと日本に良材が安価に入る可能性は低いのです

 

 2009年 ついにカナダの木材輸出量が中国に抜かれました

 東南アジアではもっと早く抜かれていました

 

 ですから、日本の国内事情より圧倒的にアメリカ・ヨーロッパ・中国の事情が世界の資源の供給事情を左右します

 情けないですが、現状から目をそむけてはいけないのです

 

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