2009年のウッドデッキ材の状況  

  

  

 2008年暮れのリーマンショックの影響で、世界的な需要が減退をしました。

 このことは、資源の輸入にとってはとてもいい方向に潮目が変わることになりました。

 

 2007年の品不足は、環境問題による原木不足だと思われていましたが・・・

 実態は全く違っていたことをこの年感じたのです。

 

 ハードウッド

 2007年、各地の資材が入らなくなった時、「原木伐採のライセンスが降りない」と言うのを国を問わず耳にしました。

 ところが、日本の品薄を笑っている国があったとは、その時は全く知らなかったのです。

 

 イペはいつの間にか港に材が溢れかえっていました。

 一度市場から姿を消したはずのイタウバが日本に向けて船積みをされました。

 ウリンは順調に買い付けができています。

 

 1年前の品薄騒ぎはどうやら現地の価格つり上げ工作であったようです。

 日本よりも高値でしかも品質面でうるさくない、アメリカ・ヨーロッパ・中国・インドにどんどん物が送られ、お金は出さないくせに文句は多い日本向けはぎゅーっと絞られていたようなのです。

 

 リーマンショックで諸外国の買い需要が激減した中、現地のターゲットが日本に目を向けたと言う訳です。

 

 信じられないことですが、価格こそ高くなりましたが、品質が良くなってきました。

 本当に原木不足だったのなら、品質が良くなることは合点が行きませんよね。

 

 2009年-10年の秋頃までは近年になく当たり年になったのです。

  

  

 ソフトウッド

 リーマンショックで一番大きい影響を受けたのは、いうまでも無くU.S.A.。

 カナダの林産業にとってそれは死活問題を意味します。

 

 2009年 だぶついたアメリカ向けのウエスタンレッドっシダーの良材が日本に向けて次々船積みをされました。

 SPFも同様。 バンクーバー港には売り先を失った木材が大量に溢れたのです。

 

 2009年は、カナダ産の木材の大当たりの年でした。

 

 

 

 杉桧に大きな転機が訪れたのもこの頃です。

 国内で製造をされている針葉樹合板の原料は、それまではロシア産のカラマツでした。

 ところが、国策により、カラマツの輸出に大きな規制を掛けた結果・・・

 日本の港からロシア産の木材が姿を消します。

 合板メーカーが目を付けたのが、四国・九州の杉材。

 大量に買い付ける合板メーカーのおかげで、量が売れないウッドデッキ材に力を入れる製材所なんてどこにも無くなってしまったのです。

 更に翌年の法律改正がこの動きを加速します。

 3階建て以下の低層公共物件に地元の木材を使わなければいけない。

 この頃から、四国の製材所はフル稼働。

 益々量の出ないデッキ材なんて目を向ける人はいなくなってしまったのです。

 

  

 

 

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