フェアウッドキャンペーンについて一言  

  

 日頃はウッドデッキネットをごひいき賜りありがとうございます。

 最近様々な機会があり、木材の有効活用と地球温暖化防止について考えさせられることが多いのですが・・・

   真夏の異常な暑さ

   大規模な自然災害

 これらは様々な経済活動により環境が変化をすることで起こっているものですが、その中で木材の業界に携わるものとして、森林の保全には大いに関わっていかざるを得ない時期が来たことを痛感しています。

 

 既にこういった動きから、ウッドデッキ材を取り巻く環境は激変をしています。

 ところが、ある一方的な意見が先行をしたり、噂が一人歩きをしたりして、おそらく真実を皆様が知る機会はほとんどないのではないかと思います。

 

 ウッドデッキ材の販売者という立場もありますが、それ以上にこの業界の今後を危惧する一個人として、私なりの意見・現在のウッドデッキ材を取り巻く環境についてお話をいたしますので、皆様のご意見をお聞かせください。

 

2007年11月11日

ウッドデッキネット

大日本木材防腐株式会社 四国営業チーム

杭田正夫

E-Mail kuida@wood-deck.net 

 

 このページは2007年秋に起こった天然ウッドデッキ材の危機に関して書いております。

 その後状況が変わり、輸入量・品質とも2006年並みになったのですが、いつ同じ危機が起こるか分かりませんので、残しておきます。

 

 フェアウッドとは・・・

 世界と日本の森林保全に貢献するフェアウッド・キャンペーンのサイトより引用をいたします。

 フェアウッドとは

  1. 最低限、合法な木材

  2. 持続可能な森林経営を目指している木材

  3. 信頼できる第三者機関の認証を受けた木材

  4. できるだけ近くの木材から出た木材

 

 この項目について当社で販売をしている木材について検証をしてみたいと思います。

 

 1 最低限、合法な木材

  全ての木材で原産地の法令に基づいて合法的に伐採・製材・輸出をしています。

  最初に最低限という言葉があるとおり、最低限問題のある材はないものと思っています。

 

 2 持続可能な森林経営を目指している木材

  これは単純に考えると答えは簡単で、ほぼ全ての森林で、伐採後の植樹は行われています。

  ただ、中身に踏み込むと、相当ややこしい話になるのが実情かと思います。

  例えば植林としておそらく世界でもっとも進んでいると思われる日本の杉桧でさえ、きちんと50〜60年のサイクルで回っているのか? と言われると疑問を感じざるを得ません。

  現在杉花粉が目の敵にされて、杉を伐採した後に広葉樹を植樹している例をよく見ます。

  元々はその森は広葉樹の森であったわけで、60年前に杉林に人間の手で変えておきながら、今度は元の照葉樹に戻そうというのは持続可能な森林経営というのからは外れているのではないかと思うのです。

  こういったことは世界中で行われていて、本当に持続可能な森林経営と言うのはどういうものなのか? そういった取り組みを真剣に行っている国・地域はどれほどあるのか? 今後勉強をしていきたいと思っています。

 

  3. 信頼できる第三者機関の認証を受けた木材

  これについては、全ての木材について、現在検証をしているところです。

  どの樹種がOKで、どの樹種が疑問なのか? 現在の所きちんとお話をできるレベルにありませんので、今後きちんと調べた上でお話をしていきたいと思っています。

 

  4. できるだけ近くの木材から出た木材

 これは単純に比較をできる問題かと思います。

 世の流れとして地産地消という方向に傾いていることは常々実感をしています。

 そのため、当社でも四国産の杉桧デッキ材を四国の公共用途のために生産・それを通販で全国の方にも販売をしている次第です。

 外材の場合、単純に距離が遠いと環境に負荷がかかるのかどうかと言われると私には分かりませんが、距離で比較をすると次のようになります。

 一番近いのは、東南アジア産(ウリン、セランガンバツ)

 次いで北米産(ウエスタンレッドシダー、SPF、レッドウッド)

 次いで北欧産(サーモウッド)

 一番遠いのが南米産(イペ、イタウバ、マサランドゥーバ、クマル)

  

  

 私見

 私は100か0かという議論は不毛であると思っています。

 様々な諸事情を勘案して、ベターな選択をするべきであり、その判断を最終的に下すのは生産者ではなく、消費者であると思います。

 フェアウッドキャンペーンの趣旨は理解できますし、その趣旨に賛同をできる面は多々あります。

 だからといって、世界中の人が心からこの趣旨に沿った生活を願っているというのはこれまた話が違うものだと思います。

 

 私は、様々な樹種を取り扱っていますが、それぞれ一長一短あります。

 購入者がどういった点を重視するかで、もっともふさわしい木材というのは変わるものだと思います。

   耐久性に優れた木材がいいのか?

   肌触りのいい木材がいいのか?

   安価な木材がいいのか?

   etc...

 

 それぞれ答えが変わりますし、それでいいのだと思います。

 ないものをねだってもそれは永遠に手に入らないものだと思いますので、現在ご提示している中から、皆様の主観にもっともあう木材をご購入・使用していただくのが一番だと考えています。

 

  

 ウッドデッキ材の状況(2007年当時の話です)

 では、現在の木材を取り巻く環境はどのようになっているのでしょうか?

 私が知る限りの情報をまとめましたので、こういったこともご考慮に入れた上で皆様のご判断をいただきたいと考えています。

  

  

 ハードウッド全般的な話

  元々ハードウッドは、資源として豊富なものではありません。

  とても長持ちをする木ですので、何十年にわたって大切にお使いいただいたいと思っています。

  樹種というよりも産地毎に様々な問題がありますので、それをお話したいと思います

 

 ・インドネシア産(ウリン、セランガンバツ)

  現在は供給が安定していますが、2006年規制強化で日本中からインドネシア産の木材が姿を消したのは記憶に新しいところです。

  そういった事態はいつ起こってもおかしくありません。

  来年(2008年)に向けて様々な噂が耳に入っていますので、これからの情報には要注意です。

 

 ・ブラジル産(イペ、イタウバ、マサランドゥーバ、クマル)

  現地での伐採強化というよりも現在新規伐採の許可待ちで、今後の入荷が非常に不透明です。

  価格急騰、品不足は2007年夏頃より顕著で、今後どうなってくのかが注目です。

 

 このようにハードウッドの場合、供給事情は日々刻々変わっています。

 この情報も明日になれば正反対のことを書く可能性もあるような話なのです。

 いずれにしても、こういった資源が安価で入手できるということが続くということがありえないことだというご認識は必要かと思います。

  

 

 ソフトウッド全般的な話

  より地産地消の動きが明確になってきています。

  外材から国産材へ。 様々な商品で転換が進んできています。

 

 ・北米産(ウエスタンレッドシダー、SPF、レッドウッド)

  かつてはカナダの木材が環境破壊の槍玉に上がっていたのも記憶に新しいところです。

  現在はその流れが、ロシアとかヨーロッパに移っていて、カナダはどうやら優等生という扱いらしいです。

  優等生になるとどういったことが起こったのでしょうか?

  そう、品質が格段に落ちてしまいました。

  樹齢200年以上の古木はとても耐久性が高くその他品質面でとても優れていますが、それらを大量に伐採することが環境にやさしいかどうか、すぐに判断ができるかと思います。

  優等生になったということは、そういった木材の量が激減をして、若い樹齢の人工林のものが増えていると考えるのが自然の流れ。

  実際に現在入ってきている木材の年輪はとても粗く、また心材の色も薄いことから、人工林の若木が中心になっていることが分かります。 この地域の優等生ぶりが実証されていると言っていいと思います。

  

 北欧産(サーモウッド)

  こちらは国内に入荷をしている量があまりにも少なくて、ここで書けることも限られてしまいます。

  今後若木が中心になると考えるならば、外部に木材を使うには、何らかの化学的な処理が必要になってくるかと思います。

  高温処理をするサーモウッドのような技術は今後ますます重要視されてくるものと思います。

 

 国産(杉桧)

  私の住んでいる香川県の公共事業では、ほとんどの場合、香川県産材を使用することが明記をされています。

  これは多くの自治体でも同様であると思いますので、今後益々地元の木材の需要が増えるものと考えています。

  また、森林保全という観点から、間伐材使用とまで言及されていることもよくあり、基本的に若木中心の供給にならざるを得ません。

  このため、外部に使用をするためには適切な化学的防腐処理が必要となります。

   

 

 このような流れは2007年になって顕著になってきています。

 つまり、今後古木のウッドデッキ材は樹種を問わず益々入手困難になっていくことは容易に想像ができるわけです。

 

 
 2x4住宅を国産材で建ててみませんか?

 ここからは本業のPRです。

 

 当社は、2x4住宅のパネル工場でもあります。

 2x4住宅といえば、北米の工法であり、構造面でとても合理的で、耐震性・耐火性に優れたものです。

 最近の建築基準法の改正により、木造住宅の工法がずいぶん変わりました。

 金物を多様、床壁を面構造に!!

 あれ? これらは2x4住宅の特徴に過ぎないではないですか。

 

 つまり昭和49年に日本に入ってきた当時から2x4住宅では現在の木造住宅に求められる強度はクリアーをしていたという実証でもあるんですよね。

 

 そんな2x4住宅には従来の木造住宅よりも遥かに大量の木材が使用されます。

 これらの多くは、北米産の木材であったのですが、これを国産材に切り替えようという動きが全国でおきつつあります。

 

 DMBホームでも最初の1棟がいよいよ今月末に着工をいたします。

 そんなこれからの2x4住宅を皆様にごらんいただける機会を作りましたので、ぜひご参加ください。

 

 詳しくはこちらをご参照ください>>>

 

 

 

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