では、現在の木材を取り巻く環境はどのようになっているのでしょうか?
私が知る限りの情報をまとめましたので、こういったこともご考慮に入れた上で皆様のご判断をいただきたいと考えています。
ハードウッド全般的な話
元々ハードウッドは、資源として豊富なものではありません。
とても長持ちをする木ですので、何十年にわたって大切にお使いいただいたいと思っています。
樹種というよりも産地毎に様々な問題がありますので、それをお話したいと思います
・インドネシア産(ウリン、セランガンバツ)
現在は供給が安定していますが、2006年規制強化で日本中からインドネシア産の木材が姿を消したのは記憶に新しいところです。
そういった事態はいつ起こってもおかしくありません。
来年(2008年)に向けて様々な噂が耳に入っていますので、これからの情報には要注意です。
・ブラジル産(イペ、イタウバ、マサランドゥーバ、クマル)
現地での伐採強化というよりも現在新規伐採の許可待ちで、今後の入荷が非常に不透明です。
価格急騰、品不足は2007年夏頃より顕著で、今後どうなってくのかが注目です。
このようにハードウッドの場合、供給事情は日々刻々変わっています。
この情報も明日になれば正反対のことを書く可能性もあるような話なのです。
いずれにしても、こういった資源が安価で入手できるということが続くということがありえないことだというご認識は必要かと思います。
ソフトウッド全般的な話
より地産地消の動きが明確になってきています。
外材から国産材へ。
様々な商品で転換が進んできています。
・北米産(ウエスタンレッドシダー、SPF、レッドウッド)
かつてはカナダの木材が環境破壊の槍玉に上がっていたのも記憶に新しいところです。
現在はその流れが、ロシアとかヨーロッパに移っていて、カナダはどうやら優等生という扱いらしいです。
優等生になるとどういったことが起こったのでしょうか?
そう、品質が格段に落ちてしまいました。
樹齢200年以上の古木はとても耐久性が高くその他品質面でとても優れていますが、それらを大量に伐採することが環境にやさしいかどうか、すぐに判断ができるかと思います。
優等生になったということは、そういった木材の量が激減をして、若い樹齢の人工林のものが増えていると考えるのが自然の流れ。
実際に現在入ってきている木材の年輪はとても粗く、また心材の色も薄いことから、人工林の若木が中心になっていることが分かります。
この地域の優等生ぶりが実証されていると言っていいと思います。
北欧産(サーモウッド)
こちらは国内に入荷をしている量があまりにも少なくて、ここで書けることも限られてしまいます。
今後若木が中心になると考えるならば、外部に木材を使うには、何らかの化学的な処理が必要になってくるかと思います。
高温処理をするサーモウッドのような技術は今後ますます重要視されてくるものと思います。
国産(杉桧)
私の住んでいる香川県の公共事業では、ほとんどの場合、香川県産材を使用することが明記をされています。
これは多くの自治体でも同様であると思いますので、今後益々地元の木材の需要が増えるものと考えています。
また、森林保全という観点から、間伐材使用とまで言及されていることもよくあり、基本的に若木中心の供給にならざるを得ません。
このため、外部に使用をするためには適切な化学的防腐処理が必要となります。
このような流れは2007年になって顕著になってきています。
つまり、今後古木のウッドデッキ材は樹種を問わず益々入手困難になっていくことは容易に想像ができるわけです。
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