ウッドデッキの耐朽性向上に関して  

2015年8月10日

  ウッドデッキネットにお問い合わせいただきありがとうございます。

 

  私は以前新築の住宅の営業を補佐しておりました。
新築住宅の営業マンにとって、外部に使う木材の知識はなく、皆こう言っているのを何の疑問も持たずにおりました。
「外で木なんか使ってもすぐに腐りますよ。 それが嫌なら毎年頑張って塗るしかないですね。」
今でもそのように言っているのを耳にすることがありますが、当HPを見てご検討いただいている方はこう思っているのじゃないでしょうか?
「ハードウッドを使えば、ウッドデッキは一生ノーメンテナンスで使える」
はたしてそうでしょうか?
10数年前にウリンを知ったときに私もこういう風に短絡的な考え方をしておりました。
が・・・
今はそのようないい加減な考えは持っておりません。
外部に適した木材を知らずにウッドデッキを作ることは論外だと思っておりますが、ハードウッドが万能であると言うのも余りにも極論だと思います。
10数年で腐ったり、痛んだりしている木材を多数見てきました。
ほんの一部は寿命を全うしていたものもありますが、少し気を使えば、もう少し長持ちしただろうな・・・
って思うものが大多数でした。
寿命を全うできなかったウッドデッキetcには、やはり腐った原因が必ず存在をしています。

このページを見ることは遅いのかもしれませんが、私が感じていることを少しでも皆さまのご参考にしていただければ幸いです。
     

 ウッドデッキネット 杭田正夫

 

 ウッドデッキの耐朽性を左右する4要素

 ウッドデッキの耐朽性を左右する要素として、私は次の4点を重視しております。
@環境 、 A構造 、 B樹種選択 、C塗装・メンテナンス。
もちろん全てが二重丸であることが一番良いのですが、中々そのようなものはお目に掛かることができません。
ブログでこの点を色々書いてきましたので、まずこちらを見てください。
    

ちょうど10年 2006年3月掲載 (5回続きます)
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/200603260000/
続きを見るには、<新しい記事 をクリックしてください。

ほんの一手間 2008年1月掲載 (その1〜9)
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/200801110000/

腐ったウッドデッキから学ぶこと 2012年12月掲載 (その1〜8)
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/201212050000/

ビスの選定で耐朽性が変わるとは(その1〜4)
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/201202170000/

やっぱり原因ははっきりしているんやね
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/201407260000/

ここまで読んでいただいたら改めて書くこともそんなにないのですが、ブログは必要な記事を探すのが大変ですので、こちらで4要素に関してまとめておきます。

    

 @環境

 今回作ったウッドデッキは何年持ちますか?
っていうご質問を良く受けますが、一番返答に困るご質問になります。
雨が全く掛からないウッドデッキであれば、どんな作り方をしてもまず腐ることはありませんし、濡れっぱなしで乾きにくいデッキは数年しか持たないかもしれませんし。・・・
この答えが正解なのです。 この言葉には、樹種の話も構造の話もメンテナンスの話もありません。
ただ、環境だけをとらえているのですが、それが大正解だと私も思います。

と言ってもウッドデッキを作る場所の環境を変えることは至難の業です。
これから変えようと思っても、できることは知れています。
ですから、良い環境だとこれから書く3要素はそんなに重要でなく、劣悪な環境ほど、残りの3要素に気をつけるべきだとしか言えないのです。

 

  

 A構造

 腐ったウッドデッキを多数見ましたが、その多くが構造面に気をつけていればもっと長持ちしたのに・・・

って幾度心の中で思ったことでしょうか?

最初に見ていただいたブログで紹介しているケースの大半が構造面に何らかの問題を抱えております。

構造で気をつけることはいくつかありますが、よく問題になるケースを挙げておきます。
◆濡れっぱなしにしないこと
雨に濡れないようにすると言うことはできませんが、濡れた木が早く乾くようにすることは可能です。
木と木が密着する部分は水が抜けにくいですので、そういった場所に一工夫するのは大事なことです。
また、デッキの下に水たまりができないように工夫することも大事なことです。

◆木口通しを密着させないこと
材を継ぐときに、木口をくっつけるのと、話すのとで、乾き方は大きく違います。

◆ややこしい仕口はNG
これはDIYより大工さんに多いのですが、ほぞ加工等のややこしい仕口は水が溜まりやすくなります。

◆ビスの緩みがないように
根太のスパンを飛ばしたり、1スパンで継いだりすると、上を歩いた時の振動で、ビスが緩みやすくなります。
緩んだビス穴に溜まった水は抜けませんので、いくら良い木を使ってもこれが原因で腐っているケースを多々見ます。

 

        

 
 B樹種の選択

これはこのページを見ている大半の方が気を使っていることと思います。
当HPで紹介している木材で、SPF防腐加工以外はかなりの耐久力が見込まれます。
どれを選ばれても最低限の耐朽性は確保されております。
もちろんより強いものとそうでない物はありますので、皆さんがピンときたものをご選択ください。 


  
 C塗装・メンテナンス

 世間一般に、「メンテナンスをしなかったから腐ってしまった」とぼやいている方が多いのではないかと思います。
でも少数の方は、「一生懸命メンテナンスしたのに腐ってしまった」と言っていることと思います。
どちらも、私から言えば、ない物ねだりをしているにすぎません。
「メンテナンスをしなかった」とぼやく人が、再度ウッドデッキを作ってメンテナンスをするとは思えませんし、「メンテナンスをしたのに腐った」人は、その原因を知らずに単純に木材の変更で長持ちをすると思っていることが多いです。
どちらも次のデッキも失敗した。 と言いかねないタイプなのです。
さて、塗装にはいくつかの目的がありますが、大半の方は次の2つのいずれかを目的にされることかと思います。

◆美しさをずっと保ちたい
いくら耐朽性の高い木材を使っても、色は1〜2年で褪せてしまいます。
元の木材の色を長持ちさせたいと言われる方が多いですが、そうなると塗装やこまめな再塗装は必須になります。
この点を主眼に置くと、申し訳ありませんが、「こまめに再塗装をするしかないですよ。」という言葉しか出せないのです。

◆耐朽性を飛躍的に向上させたい
この言葉だけを真剣に考えている人がいるのであれば、それよりは他の3要素に関して真剣に考えてほしいとしか言いようがありません。
環境も劣悪で、構造面で水が溜まりやすく、外部に適していない木材を使用して、こまめに再塗装をしている人がいるとしたら、余りにも大変な思いをされているとしか言えないのです。
では、塗装やメンテナンスは不要なのでしょうか?
塗装をすることで、上の3要素を補完することは可能です。
水が溜まりやすい場所や、吸い込みやすい木口に念入りに塗装をしておけば、耐朽性アップは見込めます。
ただ、そういう場所は施工後塗装をすることはとても困難ですので、組み立てる前に塗ることが一番のポイントになります。

最後に塗装にまつわるブログをご覧ください。

再塗装のすすめ・ 1スパンはNG (タイトルを変えて2回連続になっております)
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/200805260000/

いい色になりましたね (その1〜5)
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/200807160000/

うーん いい加減なことは言うものではありませんね
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/200810110000/

やっぱ最初が肝心ってことね(その1〜4)
http://plaza.rakuten.co.jp/wooddeck/diary/200911190000/

  

きちんと整理ができておりませんので、HP側に移すのは少し無理がある記事です。
私の主観が思いっきり入っておりますので、世間一般に受け入れられるものかどうかはなんとも言えません。
このページをご覧になった感想をお聞かせくださいますととてもありがたいです。

 

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