腐りにくいウッドデッキを作るためにいろいろな対策が考えられます

 頭で考えても思いつかないこともあるもの。 なんといっても腐ったウッドデッキを見てそれを反面教師にするの一番の近道です

 ここでいくつかそんな事例をご紹介します

  根太の腐れ

 樹種 桧(防腐加工はしていません)

 この写真は2004年11月に撮りました

  

 桧の2寸(60mm)角を床板に使用したウッドデッキ。

 しばらく無塗装で使っていたのですが、5年経過をした頃から塗装を始めたそうです。

 

 8年経過をしたこの頃に床板が傷んでいる部分を見つけ、私が見に行ったのです。

 

 このときはまだ大事になっているという意識はなく、「床板だけ張り替えますか?」

 なんてのんきなことを言っていたのです。

 更に1年半経過をした2006年3月の写真です

 

 2005年以降は再塗装をしていないとのことで、美しかった色もすっかり褪せていました

 

 それ以上にもはやバールなど無しで手で簡単に取れるほど朽ちているところもありました。

 朽ちていた材を裏返してみると写真の通りボロボロ。

 こりゃすぐに取っ払わないと危険なレベルまで来てしまいましたね。

 ご覧のように太い根太が腐ってしまいこの有様。

 

 コンクリートを張っていてもこうなるのでしょうか?

 

 奥様がぽろっと「やっぱり10年やね」

 10年でいろいろ不具合が出てきます。

 外壁も前年に塗り替えをしましたし、ウッドデッキも10年目。

 そろそろ電化製品も気になる頃。

 

 やはり10年を経過する頃にはリフォームなどの費用を用意しておくほうがよさそうですね。

 この現場を見て、どのようにすればもっと長持ちしたのかを考えてみましょう!

 樹種に問題があったのでしょうか?

 構造面の問題でしょうか?

 環境に問題があったのでしょうか?

 それとも・・・

 

 全てが上のように腐ったわけではなく、元のいい状態が残っていた部部もあります

 切ると桧のいい香りが辺りに漂います

 こりゃまだ十年先でも大丈夫と言っても言い過ぎじゃないですね

 

 この部分は建物に近く、屋根が掛かっていました

 

屋根があると腐りにくい

 

 当たり前と笑うなかれ

 

 でも・・・

 

 それだけならこの現場をあえて取り上げる意味はなかったのです

 

 この現場では最大のネックは 「蒸散」でした

 いい樹を使ってウッドデッキを作ると、まず上からの水ではそう簡単に腐るものではありません

 ほとんどのケースで床下に何らかの問題があります

   

 この現場で水が溜まりやすい原因はコンクリートにありました。

  

 奥の塀に向けて勾配をとっているのですが、排水溝がなく、狭い隙間から地中に浸透する構造。

 しかも樫の木のためにちょうど水が溜まりやすいところはあけている。

 家と塀に囲まれて風通しは悪い

 

 つまり「常時床下に水が溜まり、常時根太に向けて蒸気を当てていた」ようなものだったのです。

 

 根太も全て駄目だったのではなく、塀に近い2本がアウトで建物に近い方は綺麗で、その部分は床板も傷んでいませんでした。(上の写真参照)

  

 こういう風に生まれ変わりました

 このお宅は排水に気を使っていればまだまだ持ったと思います。

  

 2006年3月にウリン材(根太はイペ)に張り替えたのですが、排水はそのまま。

 樹種はかなり耐朽力は増しましたが、環境はそのまま

 正直言って過酷な状況です。 

 イペやウリン材でどこまで長持ちするか?。

 10年後にその真価が問われます

 こういう環境は要注意

 ・回りを囲まれた土地

     中庭にウッドデッキというケースを結構見ます その場合はくれぐれも排水には気を使ってください

 

 ・水はけの悪い土

     粘土質など水はけの悪い場所だと水が抜けにくいもの こういったところにウッドデッキを作る場合は風通しがいいかどうか要チェック

   

 ・高さが低いウッドデッキを作る場合

     床下が低いと風通しが悪くなりますので要注意です

 

 耐朽性の高い木材を使った場合、まず下から傷むケースがほとんどです 後では改善の処置ができませんので、くれぐれも最初に真剣に考えてください

 

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